お知らせ
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作成日:2012/02/25
責任の所在



国内独立系の投資顧問会社、AIJ投資顧問が企業年金から運用受託していた約2000億円の9割超が消失していたことが、証券取引等監視委員会の検査でわかったそうです。

AIJが投資家向けに提示したレポートによると、毎年負けなしの高収益の実績を報告していたとのことです。で、その運用の中身は、「英領ケイマン諸島に籍を置く私募投資信託に投じ、デリバティブ投資や未公開株投資をしていた」とのことです。しかも、外部委託で。いずれにせよ詳細は今後の調査により判明してくるのでしょうけど、この消えた年金資金は、もう戻ってこないのでしょう。

なぜこんな事態が生じてしまったのでしょう。誰の責任なんでしょう。

1.運用に失敗した運用会社の責任
2.運用会社が外部委託していた運用会社の責任
3.そんな運用会社に年金運用を委託した会社の責任

更に踏み込んで・・・
4.運用に失敗した会社の経営陣個人の責任
5.外部委託先の経営陣個人の責任
6.そんな運用会社に年金運用を委託した会社の経営陣個人の責任

鉾先が変わり・・・
7.虚偽の報告を見抜けなかった年金基金担当者の責任
8.こんな運用会社を紹介した人の責任
9.監視が甘かった金融庁の責任
10.そもそもの無理な年金基金の予定利回りを決めた人の責任

やり場のない怒りは言いがかりへと変貌します・・・
11.国の年金政策の責任
12.こんな運用会社に年金運用をまかせている会社に入った従業員の自己責任
13.運用会社が怪しいということを報道してくれなかったマスコミの責任

投資会社の社長は「その投信を通じてお金がどう運用されているか状況を把握していない」と言います。
年金基金の担当者は「金融当局の監視が甘かった」と言います。

誰も私の責任ですとは言わないでしょうし、言えるレベルの話ではありません。
あくまで他人事です。

金融庁は今回の事件を機に国内にある投資顧問会社の一斉調査を行うとのことです。
より大きな問題になる予感がします。

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弘田貴郎税理士事務所
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