お知らせ
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作成日:2011/11/01
冗長性の確保



私の尊敬する、弁護士 関根稔先生の言葉です。

例えば10ボルトの電流を流す必要のある配線をするとします。10ボルト必要なのであれば、10ボルトの配線にすればええやん、というのが一つの考え方。しかし、もし、12ボルトの電流が流れてしまうと、その配線はショートし、使い物にならなくなります。したがって、想定以上の電流が流れた場合でもショートしない配線、例えば20ボルトの配線にしておこう。これが冗長性の確保です。

以前、とある相続税の案件で、相続税を余分に納付しているので返してくれ、という手続き(更正の請求といいます)を行う必要がありました。この更正の請求、国税通則法に基づくもの、相続税の特例に基づくものにより、その提出期限が若干異なります。その案件では相続税の特例に基づく更正の請求であったため、国税通則法に基づく更正の請求に係る提出期限よりも提出期限に余裕があることは承知していました。ただ、提出期限の起算日についての質問を関根先生にしたところ、次のようなお返事をいただきました。

「(起算日についての説明のあと、)たとえ、提出期限がおそいものであっても、一番提出期限の早い日が提出期限であるものとして処理しなさい。世の中何が起こるかわかりません。とにかく更正の請求をしておけば、添付書類の不備・記載方法の誤りなんてあとで救済してくれます。しかし、提出期限の遅れは一切救済してくれません。」

自分でも、その一番早い期限(確か、翌年の1月15日頃でした)よりも前、むしろ年内に処理してしまおうと考えていたため、関根先生の言葉に自分のものの考え方は間違っていなかったんだ、と思い、妙にうれしかったことを覚えています。

日々の出来事でも同じです。待ち合わせは20分前には到着するようにしよう。雨の日は道が混むのでいつもより早めに出よう。3月15日が確定申告期限だが、2月中には終わらせよう。
時間だけではありません。精神的な余裕も重要です。信号はこちらが青だが、右折車が突っ込んでくるかもしれない。脇から自転車の中学生がいきなり飛び出しくるかもしれない。次の試験の範囲は10ページだが、15ページやっておこう。などなど。

要は、常に時間的・精神的な余裕を持って仕事をすることが専門家として必要であり、専門家として生き残っていく秘訣であり、ひいてはお客様を守ることに通じるんだ、と、勝手に解釈しています(限界に挑戦しようとする自称専門家は結構います。皆さん自信家のようで・・・)。


12月に松山で関根先生の研修会があります。今から楽しみです。




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