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正月も開けたある日のことでした。
ふと携帯に目をやると東京の事務所に勤務していたとき担当をさせていただいていたお客様から電話をいただいていました。このお客様、４年ほど前にお父様がお亡くなりになり、相続税の申告のお手伝いをさせていただいてからのご縁でした。ご所有不動産が多く、なかなか大変な相続税申告ではありましたが、何とか物納も成功させ、金融財産もかなりの額を手元に確保することができました。
その方からのお電話です。「東京を離れるときはちゃんと挨拶もさせていただいたし・・・。何か大変なことでも起こったのか？」内心ビクビクしながら折り返しのお電話を差し上げたところ、「いやあ、弘田さんの声がちょっと聴きたくなってさあ・・」との第１声。
拍子抜けするとともに胸の奥から熱いものがこみ上げてきました。
この方、無類の温泉好きで、道後温泉に是非とも行ってみたいとのことでした。今年中には是非お会いしましょうと約束し、その日の電話は終了となりました。

何よりも仕事の話抜きで電話をしていただけたことをうれしく思うとともに、あくまで仕事を介してしかその方のことを考えることができなかった自分を少し恥ずかしく感じました。